№10 「はつさん ハーイ!」

1973年(昭和48年)1月6日~1月27日 毎土曜日18時05分~18時35分
1月6日放送分は18時00分~20分に「世界のアニメーション(3)」が入ったため、18時20分~50分に変更

原作:由紀しげ子「女中ッ子」


脚本:高橋玄洋
演出:花房 実

出演
四方正美:はつ
簾内滋之:加治木勝見
加藤和夫:父・恭平
高千穂ひずる:母・梅子
伊藤雅生:兄・雪夫
吉原 緑:姉・あきら
後藤ルミ:梅子の姪・ひろ子
寺泉哲章:家庭教師・若月
寺島信子:野呂専務夫人
高橋 仁:野呂新吾
橋爪 功:担任教師・仁木
津田 喬:洗濯屋


山形から出て来て田舎者と馬鹿にされながらも健気に生きる純朴なお手伝い・はつと、一家の憎まれっ子・勝見との暖かい心のふれあいを描く。

全4回

第1回
東京・世田谷の上流家庭・加治木家の夫人・梅子が山形の乳母の家へ出した年賀状になにげなくお手伝いが欲しいと書いたのを真に受けてその縁者の娘・織本初が突然上京。初は上野駅で家出娘と間違えられ派出所に保護されるもどうにか加治木家にたどり着く。だが同家にはお手伝い代わりとして梅子の姪・ひろ子が同居しており、あまり歓迎されなかった。山奥出身の初は家人から田舎者と馬鹿にされつつも懸命に働いていく。そして翌日の早朝、一家の鼻つまみの次男坊・勝見がおねしょの後始末に苦心しているところを初が助けてやったことから互いに心を開いていく。勝見は家人に内緒で物置に捨て犬を飼っているという秘密を初にうち明けるのだった。

第2回
梅子の毛皮のオーバーが紛失し、初が疑いをかけられてしまう。その日、梅子は次男坊・勝見のために学校に呼び出され、その留守中加治木家の主人・恭平の上役である野呂の夫人が突然訪ねて来る。だが、梅子から見知らぬ人間は絶対家に入れるな厳命されていた初は夫人を追い返してしまい、これを聞いた梅子は夫の出世にかかわると初を叱咤する。その夜、勝見が物置の中で飼っていた小犬が長男・雪夫らに見つかってしまう。梅子は犬を捨てるよう命令し、反抗した勝見は物置に立てこもってしまうが、初のとりなしでなんとか飼うことを許されるのだった。翌日、初は梅子のオーバーが小犬の布団代わりになっているのを見つけ驚く。

第3回
オーバーの経緯を梅子に告げれば勝見が叱られると思案した初は、自分のトランクに隠す。ある日初は勝見の家庭訪問に訪れた担任・仁木から初のおかげで勝見が柔和になったのだと言われ涙ぐむ。数日後、野呂専務の息子・新吾が勝見のクラスに転入、家に遊びに来た彼を梅子は気遣うのだった。運動会の日、初は勝見と目隠しの二人三脚で一等をとるが、新吾たちから初がインチキしたのだと言いがかりをつけられ、怒った勝見は新吾らと対決するが返り討ちに会う。初は自分が不正をしていない証明として新吾と目隠しをして競争し、跳び箱に衝突して倒れてしまう。加治木家に戻った二人は恭平と梅子から叱咤され、初は心の中で勝見に辛抱しろと叫ぶ。

第4回(最終回)
正月、初は初めての休暇をもらい故郷へ帰る。間もなく勝見が飼っていた小犬が梅子の草履を食いちぎったことから、梅子は勝見の留守中に犬を捨ててしまう。落胆した勝見は初を慕って一人山形へ向かい、思いがけない勝見の家出にあわてて迎えに行く梅子たちも改めて反省するのだった。この事件が契機となり勝見と家族の間が円滑になった矢先、捨てた小犬が舞い戻り、犬のためにぼろ布を探した梅子は偶然初の部屋から紛失したはずのオーバーを発見する。梅子の詰問に初は弁解ができず、犯人の汚名を着せられたまま故郷へ帰されることになった。この経緯を知らぬ登校中の勝見の姿を一目見て、別れを告げないまま初は一人去っていくのだった。

(増山 久明「NHK少年ドラマシリーズのすべて」アスキーより)

№9 「続・タイムトラベラー」

1972年(昭和47年)11月4日~12月2日 毎土曜日18時05分~18時35分
11月18日放送分のみ、国会中継が延びたため18時20分~50分に変更

原作:オリジナル・シナリオ

脚本:石山 透
演出:佐藤和哉

出演
浅野真弓(島田淳子改め):芳山和子
木下 清:ケン・ソゴル
城 達也:語り

放映直後から大反響を呼んだ「タイム・トラベラー」の続編。

全5回

第1回 「呼ぶ声の秘密」
第2回 「2001年の秘密」
第3回 「タマエとレリの秘密」
第4回 「エネルギー・スクリーンの秘密」
第5回(最終回) 「さまよえるインド人の秘密」

№8 「どっちがどっち」

1972年(昭和47年)9月30日~10月28日 毎土曜日18時05分~18時35分

原作:大木 圭「どっちがどっち」

脚本:岩崎希伊子(第1回、第2回) 山田正弘(第3回~第5回)
演出:加地通泰

出演
松下隆子:姉・高木夏子
松下昌子:妹・高木冬子
庄司永健:父・光太郎
加藤みどり:母・ツネ子
加藤 嘉:祖父・武左衛門
池田和歌子:家政婦・山本キヨ
小田島奈津子:ヒロミ
津田雪子:茂木女史
山田政直:テツワン
井上 栄:ガイチャン
池道万里子:塩屋先生
大泉 滉:シャレコーベ先生
石井二三子:坂井弘子
岡林文夫:純也


もの静かな少女高木夏子と活動的な少女高木冬子は、4月1日に生まれた双子の姉妹。母親の教育方針のもと、双子としてではなく別々の2人の女の子として育てられることになり、中学校も別々のところに通うようになる。それぞれの学校で自分に双子の姉妹がいることを隠していることから起こる数々の騒動。

夏子と冬子を演じた松下隆子と松下昌子も物語と同じく一卵性双生児で、当時、愛知県安城市北中学1年で、名古屋のはなし座児童劇団に所属していた。


第1回 「ごめんネ おじいさま」
第2回 「シャレコーベ作戦」
第3回 「逆立ちはお好き?」
第4回 「初恋は淡きかなしき」
第5回 「年ごろだもン」

№7 「少年オルフェ」

1972年(昭和47年)9月2日~9月23日 毎土曜日18時05分~18時35分

原作:米沢幸男「少年オルフェ 」

脚本:横田弘行
演出:黛 叶

出演
長田進二:兄・進
和田麻里:妹・ふう子
大木正司:ピエロ、ボスの二役
林孝一:老人
里見京子:サボテン王国の女王
柴崎 敏:死神の若者
谺のぶ子:ロケットの女性

全4回(サブタイトルなし)


第1回のストーリー

宇宙のある星に存在する死の世界。その住人である1人の若者は死の世界に退屈していた。若者は少女のかわいい笑い声に誘われるまま、その少女を自分の妹として死の世界に連れ去ることに決めた---。進とふう子の兄妹が森で仲良く遊んでいた。死の世界の若者は幸せな者には近寄れないが、ふたりの心にヒビが入ったそのときがふう子を連れ去るチャンスなのだ。ちょっとしたいざこざはあるものの仲はいいままだ。だが、帰り道おぶってくれとせがむふう子を進が置き去りにしたそのとき、死の世界の若者が吹くピッコロの音と共に、ふう子は絶命してしまう。医師に死亡宣告された進は、24時間後に死体が埋葬されるまでに妹を現世に連れ戻そうと決意する。すると何処ともなく放たれた巨大な光に進むの身体は包まれた。なんとその光は死者をさばき星へ運ぶ宇宙船だったのだ。死の世界のボスの配下の女性から妹はひとつ前の宇宙船に乗って行ったと告げられ喜ぶ進。だが、死の世界のボスは宇宙船内で進を亡き者にすべく銃口を向けるのだった。

(増山 久明「NHK少年ドラマシリーズのすべて」アスキーより)



№6 「怪人オヨヨ」

1972年(昭和47年)7月1日~7月29日 毎土曜日18時05分~18時35分

原作:小林信彦「オヨヨ島の冒険」「怪人オヨヨ大統領」

脚本:石山 透
音楽:桜井 順
演出:石川康彦

出演
星野みどり:大沢ルミ子
峯 恵研:父・和彦
平井道子:母
梶 哲也:鬼面警部
二見忠男:張 念天
納谷悟郎:名探偵グルニョン
江藤九里子:ローレライ
加藤信博:ジュン
牧野和子:千代おばさん
中山愛子:ジョンジョン
山田康雄:ディレクター
島 美彌子:石川喬子
鈴木利秋:怪人オヨヨ(本編の放送中では役者名が?になっていて、表示されなかった)


全5話(サブタイトルなし)


原作は「オヨヨ島の冒険」「怪人オヨヨ大統領」ということになっているが、キャラクターと大まかな設定以外は原作とあまり関係がない。

劇中の人物大沢和彦が、自身が書いたドラマ中のキャラクター、オヨヨによって脅迫されるという、「脱ドラマ」手法を用いた不条理ドラマ。

№5 「悲しみは海の色」

1972年(昭和47年)6月3日~6月24日 毎土曜日18時05分~18時35分

原作:山下喬子「悲しみは海の色」

脚本:田波靖男
音楽:渋谷 毅
演出:佐藤和哉

出演
飯島洋子:桐林芙美
角田 敏:中川和也
玉川伊佐男:芙美の父
木村俊恵:芙美の母
小川悦子:野村ちか子
西沢利明:塚田先生

全4回(サブタイトルなし)


夏休み明けの新学期、江南中学3年の芙美のクラスに中川和也という名の男子生徒が転校してきた。

芙美は和也の顔に見覚えがあった。

その年の春休み、親友の野村ちか子と下北半島に旅行に行った時、自殺の名所として有名な仏が浦に向かうバスの中で乗り合わせ、海岸に打ち上げられた水死体の傍らにたたずんでいた少年だったのだ。

№4 「とべたら本こ」

1972年(昭和47年)5月6日~5月27日 毎土曜日18時05分~18時35分

原作:山中 恒 「とべたら本こ」


脚本:山田正弘
演出:加地通泰

出演
有馬義人:山川カズオ
矢野 宣:父・政一
富士真奈美:母・せつ子、高橋郁子の二役 
外野村 普:黒田
浦辺粂子:そめ
長田伸二:武
丸山持久:内田先生
野本礼三:元造
滝 奈保栄:ちか
麻衣ルリ子:かよ子
伊藤享子:高橋道子
戸川京子:高橋マリ子
久米 明:高橋邦夫
二宮さよ子:秋場洋子
生井健夫:刑事

※円谷プロの怪獣ギャットラーも出演している

全4回(サブタイトルなし)

夫婦喧嘩の耐えない両親に耐えかねて家出した山田カズオは、映画館の前にいた宣伝用の怪獣ギャットラーにつられて映画館に行き、そこで出会った奇妙な老婆・そめの家に連れて行かれる。息子夫婦に財産を横取りされるの警戒してカズオを身内に仕立て上げようというのがそめの魂胆らしい。問題の息子夫婦もそれぞれ腹に一物ありそうでとても信用できそうもない。すっかり嫌気のさしたカズオが久しぶりに実家に戻ってみたところ、父親は夫婦喧嘩の末に母親を刺して逃走中とのことだった。母親からも激しくののしられたカズオは二度と両親の元に戻らないことを決意し再び家を出る。途中、空腹のあまりデパートに立ち寄り薬売り場で買った薬を飲んで衝動的に自殺を図る。一命を取りとめたカズオは病院で名前を聞かれ、高橋カズオと名乗り、住所もデタラメを教えたが、偶然にもそこにはおじ夫婦が住んでおり、東京大空襲で死んだカズオという名の赤ん坊がいたことが判明する。

タイトルの「とべたら本こ」とは、神奈川県地方の子供たちの縄跳び遊びで出てくる決まり文句で「ためし跳びがうまく跳べたら今度は本番を跳ぶよ」という意味。

№3 「ミルナの座敷」

1972年(昭和47年)4月1日~4月29日 毎土曜日18時05分~18時35分

原作:須知徳平 「ミルナの座敷」

全5回(サブタイトルなし)

脚本:川崎九越
音楽:桑原研郎
演出:花房 實

出演
山本善夫:英彦
石崎恵美子:妹・夏子
塩屋 翼:幸介
織本順吉:辰造
菅井一郎:普貞和尚
小坂一也:代造
三谷 昇:遠山先生
下条正己:源兵衛
加代キミ子:とめ
原 泉:ばっちゃ
三浦真弓:信子



英彦と夏子の兄弟は春休みに岩手県の辰造おじさんの家に遊びに出かけた。おじさんの住む屋敷の奥には「ミルナの座敷」と呼ばれる離れがある。その離れは辰造おじさんの死んだ娘の命日と盆の2回しか開かれることはない。
娘の命日、法要のためミルナの座敷を開けてみると、そこに祭ってあるマリア観音像に抱かれているはずの金の赤子の地蔵が何者かに盗まれていた。

№2 「満員御礼」

1972年(昭和47年)2月12日~3月25日 毎土曜日18時05分~18時35分

全7回

原作:渡辺茂男 「寺町三丁目十一番地 」

脚本:須藤出穂
音楽:宮崎尚志
演出:黛 叶

出演
桂小金治:福田福一郎
中北千枝子:妻・すみ
服部妙子:長女・しげ子
岡本芙莉:次女・夏子
竹尾智春:長男・誠一郎
柴崎 敏:次男・謙二
武岡淳一:三男・泰三
山田政直:四男・四郎
藤田智美:三女・敬子
野田ユカ:四女・節子
土屋和彦:五男・五郎
今西正男:伯父・金二郎
稲葉まつ子:伯母・昌子
杉浦真三雄:近藤 卓


昭和10年ごろの東京・下町で小さな写真館を営む福田福一郎・すみ夫婦と9人の子供たちの大家族ドラマ。


第1話 2+9

第2話 ちびに気をつけろ

第3話 とびいり歓迎

第4話 わが家の実力

第5話 いなくなった娘

第6話 夢みるおやじ

第7話(最終話) 2×9=18

№1 「タイム・トラベラー」

1972年(昭和47年)1月1日~2月5日 毎土曜日18時05分~18時35分(1月1日のみ16時20分~16時50分)

全6回

原作:筒井康隆「時をかける少女」

脚本:石山 透
音楽:高井達雄
演出:佐藤和哉

出演
島田淳子:芳山和子
木下 清:深町一夫=ケン・ソゴル
浜田 晃:福島先生
榊原史子:山形先生
小川悦子:敬子
高尾礼子:さゆり
テレサ野田:柳沢由美
堀越節子:一夫の母
坂本長利:和子の父
佐藤一臣:和子の弟・イサム
西国成男:校長
若林 彰:望月博士
及川広夫:木下のおじさん
城 達也:語り


正体不明の男子生徒が作った不思議な薬の匂いを嗅いだ女子中学生がタイムトラベルの能力を身につける。
その男子生徒は700年後の世界からやってきた未来人だったのだ。
幾度かタイム・トラベルを重ねるうちに二人の間に絆が生まれるが、やがて別れのときがやってくる。


第1話 ラベンダーの謎

第2話 ケン・ソゴルの謎

第3話 テレパシーの謎

第4話 トカリベツの謎

第5話 タイム・ルールの謎

第6話(最終話) タイム・エネルギーの謎




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